2008年10月3日

江戸時代から伝わる日本伝統染織工芸の一つに「長板中形」と呼ばれる染色の技術があります。
昭和30年重要無形文化財、人間国宝に認定された清水幸太郎氏の技と一徹な職人魂を継承して浴衣作りをしていた三勝さんへと行ってきました。
こんなに素晴しい伝統と技術こそ受け継いでもらいたいものですが年々職人が減る一方で現在は生産中止。日本の着物浴衣文化は無くなりはしないが縮小の傾向にあると社長自らが淋しそうにお話しされたのがとても残りました。
近年の工賃重視の大量ミシン縫いによる海外生産が大きな原因の一つにあると思うし、そんなものに初めて袖を通す若い世代がこれが着物と認識してしまったらこういう業界は増々廃れてしまう。
良いものはずっと受け継がれなければならないと思う反面、良いものを知らずに済んでしまう現代の簡潔便利さがもどかしい。手縫いであるが故の動きやすさや着崩れのなさ、自分の身体に御仕立てするが故の粋な仕様、特別だからこその大事にする気持ち、その反物こそ職人が大変な時間をかけて一つ一つ想いを込めて丁寧に作られた生地であること、洋服にだって変わりはないけれどもそういう 想い を少しでも多くの方に感じて欲しい。
長板中形とは所謂両面染めで表と裏の柄が違う藍で染めたものでこれぞ江戸の粋だと私は思う。三勝さんの長板中形は悲しいけれどもう作られていない。だから最後の反物をすべて譲っていただくことにした。これを私は一人一人の身体に合ったお仕立てを勿論手縫い縫製にてお出ししようと思う。とても学ぶことが多い時間でした。
「今の若いもんは...」っていうのに大抵良い意味が込められていることの方が少ない。自分も然りだが言われると腹立つことこの上ないしかしこの三勝さんは熱く語らずともとても理解のある対応をしてくださいました。
若い世代へ文句を言うのではなく若い世代と共存していこうと努力をする姿勢が有り難いものです。

一日中あっちこっちと重いカメラを持って色々収めようと思ったのに何一つと撮ることを忘れてしまった。その後に行ったZEPPでのWEEKEND LOVERSもとても楽しみにしていた久しぶりの日本脳炎から見入ってしまい最後までカメラを出すこともしなかった。。。バンドとバンドの合間にこんなに主張の強い「音」を流すDJを初めてみた。流石流石淳さんでした。

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