2012年2月15日

木との対話 最後の宮大工


法隆寺金堂大修理、法輪寺三重塔、薬師寺金堂や
西塔等の復元をした最後の宮大工と言われた
西岡常一さんのドキュメンタリー映画が公開されています。
木の心を知り、木と共に生き、その以前に木を育てる土を学び、
木の命を建物に生かす仏教建築の原点を説かれています。

1400年を過ぎても奈良の建物が朽ちないのは
1400年以上生きた木の性格と生きてきた方角をみて
その木と対話しながら建てられたため。
気の遠くなるほど長い年月の間に仏教建築修復に携われなければ
その技術と知恵と魂を次の職人の手へと伝えていかなければならない。
「木」だけでなくこの飽食現代には
そのように遠回りをしても伝承すべきことが物凄く沢山あるように思います。

私は刻字という木に字を彫ることをしておりますが、
木に対する姿勢や想い、仕事をする道具への心構えを
西岡常一さんの口伝から学ばせて頂きました。

昨年奈良の1400年遷都刻字展に出品させて頂きましたのも
今年この映画を見ることができましたのも
全て「木」を通じてのご縁だと思わざるを得ません。

「鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言」


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